妊婦は生命保険に加入できないの?(特定部位の不担保)
- 妊娠が判明するまでは通常の医療保険に加入できる
- 妊娠後は保障範囲が限定される「特定部位の不担保」が条件となる
- 妊娠中でも加入できる女性保険もあり、保障内容や保険料などしっかりとチェックしておく
妊娠中でも保険に加入できる?
女性にとって妊娠・出産はライフイベントの中で大きな出来事です。新しい生命がお腹に宿ることは喜ばしいことですが、無事に出産するまでは何が起こるかわからないうえ、母体に負担がかかりリスクが多いことも確かです。
例えば、妊娠初期の症状として悪阻(つわり)や食欲不振、また子宮外妊娠・切迫流産の危険性が出てきます。他にも妊娠周期が進むにつれ妊娠高血圧症候群や貧血・糖尿病の症状、切迫早産などのリスクが生じます。

そのため、妊娠をきっかけに保険の加入を検討する人も多いようですが、妊娠・出産はリスクが高く保険会社が保険金を支払う確率も高くなるため、保険に加入するのは難しいといわれてきました。一般的に保険に申し込む際の告知書には「現在妊娠していますか?(女性)」という質問事項があり、保険会社に妊娠をしていることを告知しなければなりません。
しかし、近年は「女性保険」と呼ばれる女性特有の保険が多数でており、その中で妊娠していても加入できる保険も増えてきました。保障期間や給付金の支払い制限・加入できる妊娠周期なども保険会社によって様々なので、保障内容などよく理解して「妊娠中に入っておいてよかった」と思える保険を選ぶことが大切です。
女性が保険加入時に付けられる特定部位の不担保条件とは
通常は妊娠27週目までであればほとんどの医療保険に加入することができますが、妊娠がわかってからの加入については「特定部位の不担保」条件付きで保険に加入することがほとんどです。
特定部位の不担保とは、保険会社が指定した体の特定の部位に関する保障はしないという意味です。不担保期間中(1年~5年)に特定部位(卵巣や子宮など)に生じた疾病が原因で、その治療を目的として入院・手術をうけた場合でも入院給付金および手術給付金は支払われません。ただし、特定部位以外が原因による入院・手術に関しては、給付金が支払われます。
- 帝王切開
- 切迫流産・早産
- 子宮外妊娠
- 早期破水
- 子宮頸管無力症
- 吸引分娩
- 妊娠高血圧症候群
- 前置胎盤
- 死産
特定部位の不担保条件が付く具体例
妊娠27週目までの妊婦が保険に加入する場合の特定部位の不担保条件は、1年間不担保期間として条件を付けられる事がほとんどで、今回の妊娠もしくは分娩に異常が生じたり帝王切開になり入院・手術が必要になっても、給付金は支払われないというものです。

また、妊娠周期に関わらず加入できる保険会社もありますが、妊娠27週を過ぎると医療保険への加入を引き受けない保険会社もあります。また、出産後でも5年以内に新たに保険に加入する場合、特定部位の不担保が条件として付けられることがあります。(上記図解△)
保険に加入する際に「5年以内に帝王切開や切迫早産などの妊娠・分娩の経験がある場合」は、特定部位の不担保条件が付くことがあります。ただし、今回特定部位の不担保条件がついたとしても、3年~5年の担保期間を過ぎると通常の保障に戻ります。
妊娠中に保険に加入する際の注意点
妊娠・出産には母体にリスクが生じやすくなり、そのうえ定期検診を含め通院、入院・分娩には費用もかかります。一般的に自然分娩は保険金の支払い対象外となっており、帝王切開は保険金の支払い対象となります。
しかし帝王切開への備えとして妊娠中に保険に加入しても、特定部位の不担保条件がつくと1年間は保障の対象外となるため保険金が支払われないケースがほとんどです。したがって、今回の妊娠・出産が保障の対象になるのかということを事前に確認することが大切です。
もし今回の妊娠・出産が保障の対象外となる場合は、出産後に保険への加入を検討することもできます。妊娠中に異常もなく自然出産の方であれば、契約時の保障の制限なく保険に加入することができるからです。また女性保険の保障内容には、一般的なガン保険や医療保険でも保障されている内容も含まれているので、女性保険を検討する際は保障内容の重複がないかどうかを確認する必要があります。
参考URL:ABC少額短期保険『ABCおかあさん保険』
参考URL:フローラル共済『新婚の方へおすすめの保険』
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