解約返戻金(かいやくへんれいきん)
- 途中解約しても払い込んだ保険料の一部が返ってくる
- 貯蓄性が高いほど解約返戻金の金額(返戻率)も高くなる
- 保険料の払込方法を工夫することで返戻率をアップすることができる
解約返戻金とは
保険を途中で解約した場合に、保険会社から保険契約者(保険料を払っている人)に払い戻されるお金を「解約返戻金(かいやくへんれいきん)」といいます。ただし、支払った全ての保険料が戻ってくるわけではありません。
保険加入後、早い時期に解約した場合の解約返戻金は支払った保険料を下回る可能性があります。反対に保険期間を長期にした場合、解約返戻金は支払った保険料を上回ることもあります。
タイプ | 概要 |
---|---|
解約返戻金がある 生命保険 | 終身保険 養老保険 学資保険 |
解約返戻金がない (または少額の)生命保険 | 定期保険 収入保障保険 医療保険 |
解約返戻金が多い保険の種類としては「貯蓄目的で加入する保険」が該当します。例えば、終身保険は「亡くなったときの遺族への保障」、学資保険は「将来の教育資金」といったように、保険機能を保ちつつ貯蓄性を重視している保険では解約返戻金が多くなっています。
逆に解約返戻金がゼロもしくは少なく設定している保険として「保障目的で加入する」タイプが該当します。例えば定期保険、収入保障保険、医療保険といったような種類です。
このような保険は低解約返戻金型や無解約返戻金型がほとんどで、解約返戻金の金額を抑えたりなくしたりすることで一回当たりの保険料を安くし、少ない保険料で大きな保障を確保するという仕組みとなっています。
解約返戻金の種類
種類 | 概要 |
---|---|
従来型 | 一般的に支払われる解約返戻金、返戻率によって金額が変わる |
低解約返戻金型 | 保険料払込期間中の解約返戻金を従来型の7割程度に抑えたもの |
無解約返戻金型 | 解約返戻金がない保険 |
解約返戻金の金額は「保険の種類」「中途解約の時期」「保険期間」「保険の経過年数」「保険料の金額」「返戻率」によって異なります。解約返戻金が従来型の場合、返戻率(下記参照)が80%であれば払い込んだ保険料の8割が解約返戻金として戻ってきます。
一回当たりの保険料は従来型が一番高く、次に低解約返戻金型、無解約返戻金型と安くなっていきます。一回当たりの支払い保険料をいかに安くできるかは、解約返戻金の受取額を抑えたプランを選ぶこともポイントとなります。
解約返戻金の注意点
- 所得税の一時所得となる
- 早期に解約した場合は払い込んだ保険料を下回る
ポイント
解約返戻金を受け取ったときにかかる税金は、所得税の一時所得として扱われます。しかし一時所得の金額は、受け取った解約返戻金から払込保険料の合計額を差し引いた後の金額から特別控除の50万円を差し引いた金額となります。
他に一時所得がある場合は、合計した金額からそれらの収入を得るために支出した額を差し引くことになります。また課税される金額は、下記の計算式で求められた一時所得の50%となります。
一時所得(課税対象)=解約返戻金-払込保険料の合計額-50万円
ただし、解約返戻金が払込保険料を下回った場合や50万円を超えない場合は、課税の対象とはならず税金はかかりません。現在は低金利の時代で課税対象となるような利率の良い保険はあまりありませんが、20年以上前の利率が高いお宝保険は解約返戻金も多くなるため、事前に保険会社や税理士に確認されることをおすすめします。
次に注意が必要となるのは、契約から経過年数があまり経っていない保険を解約する場合です。保険会社は保険料から契約時にかかった費用を徐々に回収していきますますが、加入して年数が経ってない保険を解約すると積み立てに充てられなかった部分から費用を差し引くことになります。このような理由があるため、契約後短期間で解約すると解約返戻金が払込保険料を下回ることになります。
返戻率を上げるには
解約返戻金が戻ってくる割合を「返戻率(へんれいりつ)」といいます。保険契約した後に途中で解約した時、支払った保険料に対してどれだけ戻ってくるかという数値を表わしています。例えば保険料を500万支払い、解約時に500万円戻ってくると返戻率は100%となります。
- 支払い期間を短くする
- 年払いにする
- 保険料を前納にする
返戻率を上げる方法
保険の種類や保険内容にもよりますが、保険料の払い込み期間や方法を選ぶことのできる保険では返戻率を上げることができます。
例えば支払期間を短期払いにする方法で、保険料払い込み期間が短くなった分割引があります。一回当たりの保険料は高くなってしまいますが、保険料支払総額も安くなり返戻率も上がります。
同じように保険料を月払いから年払いにして保険料の割引率を上げたり、保険料払込期間満了までの年払い保険料を一括で支払い前納割引率を利用して保険料を安くするという方法もあります。
返戻率を上げるためには保険料支払総額をいかに抑えられるかがポイントとなりますが、1回あたりの保険料額も増えるので契約時によく確認しておきましょう。
参考URL: @nifty保険アドバイザー『配当金、解約返戻金って?』
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